知らない方のために一応説明しておきますと、韓国の釜山と福岡の真ん中辺りの海に対馬というちょっとでかい島がありまして、ここの土地を韓国人が買い占めてるから乗っ取られそうで危ない危ない!というのが
産経新聞社がぶちあげた「対馬が危ない!」キャンペーンです。ジャパンマネーでタイムズスクエアの一等地を買い漁るのは良くて韓国マネーで対馬を買うのはダメなのかよとか、アメリカ様の基地は全肯定しといてよく言うよとか、ツッコミどころありまくりのキャンペーンなわけですが、これの尻馬に嬉々として乗っかった山谷えり子衆議院議員(産経グループのフジサンケイリビング出身)や平沼赳夫などが国会で怪電波をゆんゆんしてみたり現地視察で毒電波をゆんゆんしてみたり色々と物議を醸しました。
週刊金曜日775号に掲載された柳原滋雄氏のルポ"「対馬が危ない!!」キャンペーンのお粗末"は産経の記事が如何に滑稽きわまるデタラメかをコンパクトにまとめたものですが、その中から面白いところを抜粋してみます。
私が対馬市役所の市長室を訪ねたのは今年六月。対馬は福岡・長崎両空港から、空路で三十分ほどの距離にある。
前年三月、現職市長を破って当選した市職員出身の財部能成市長〈五一歳)は、取材に対しこう答えた。
「市当局で確認できる限り六九六平方キロの対馬の土地のうち、韓国人の所有四万八〇〇〇平方メートルです。
比率にすると、〇.〇〇六九%に過ぎません。しかもこのなかには、古くからの韓国人住民の土地も含まれ、
これで『買い占め』という表現は当たらないのではないかと考えています」
加えて「〇八年後半からのウォン安の影響で、最近はそう言う話も全く聞かない」と、
取材に同席した永尾榮啓・総務企画部長ともども顔を見合わせるのである。
「〇.〇〇六九%」=百万分の六十九。これがどれくらいささやかな面積か、イメージしてみましょう。1m×1m = 100万mm2の正方形が対馬だとすると、その中の一辺が8mmより気持ち大きめで9mmより小さい(8mm×8mm = 64mm2<69mm2<9mm×9mm = 81mm2)正方形、つまり手の小指の爪(俺の場合は10mm×10mm = 100mm2くらいです)より狭い土地を買うだけで「買い占め」で「危ない」わけです。「針小棒大」「妄想」という外ありません(山などを取っ払った「商業地」「宅地」などで考えると比率はもっと高くなるでしょうけど)。
その次では、現状では対馬の永住外国人は全人口の0.3%(全国平均は1.7%)なので、現状で地方参政権を付与しても問題にならんでしょ、と指摘してます……ということは状況が変化すると地方参政権の付与が問題になるのか?とか突っ込みたくなりますが、それは本稿の趣旨から外れるので措きます。
さらに、日大の百地章教授とか櫻井「妙齢の女性ジャーナリスト」よしことかがこのキャンペーンに乗じて講演会だの雑誌コラムで騒いだが、こういう産経文化人のバックには極右思想集団「日本会議」がいるんだよ!という、産経ヲチャには常識の部類に属する指摘があったりします。
「スパイ」疑惑については「自衛隊施設に隣接する土地を韓国人が買いあさっている!諜報のためだ!!→ウォン安でさっぱり音沙汰無くなっちゃいました」とか、民団(在日本大韓民国民団)職員の配偶者(自衛隊と仕事上のつきあいがある)がスパイらしいというでっちあげ報道をぶちかましたが、件の職員は産経の書いた「事務局長」ではなく実際には「総務部長」だったとか、ウラ取りをしない産経の真骨頂といった感があります。そして最後の〆。
この一〇月、『産経新聞』は今度は「与那国島が危ない」と題する類似キャンペーンを一面トップで始めた。「危機」を煽る同紙流の手法はここでも似通っている。
産経新聞には全国津々浦々の島々を「危ない」キャンペーンで制覇して頂きたいところですね(棒読み)。
posted by あぐりこら at 14:50|
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